ごあいさつ

 みなさん、こんにちは。株式会社ブラストメディア代表取締役の吉田憲司と申します。

 ある夏の暑い夕方のこと、当時の教室で、このようなことがありました。

 「先生、何で努力せな、アカンのやろね?」(関西弁です)
 「そりゃ、成績上がったら、うれしいし、お家の人も喜んでくれるやろ。いい成績になったら、いい高校やいい大学にも入れるし、いい仕事にもつけて、シアワセになれるやろ。いいと思わんか?」
 「ふうん。」
 彼女はまた、漢字の書き取り練習を続けますが、しばらくして、同じような質問を繰り返します。
 「先生、でも、ナンでこんなに一生懸命にせな、アカンのやろねぇ…?」
 “あぁ、この子はきっと、漢字練習の繰り返しが退屈なんだろうな、また、同じようなことを質問したりして…”と私は内心、高を括ります。しかし、彼女はこう付け加えたのです。
 「どうせ、いつか死ぬのに…」

 この時の衝撃ときたら、一言では言い表せるものではありませんでした。そしてこの後、この一言が、BLASTの教育にとっては、実に大きな命題となるのです。

 人間は(もちろん人間だけではありませんが)、どうせ死んでしまうのに、なぜ努力をしたり、一生懸命に頑張ったりするのか。その答えは簡単には見つけられないでしょうが、この部分を避けては教育者として歩を進めていくことはできない、と感じた瞬間でした。

 「人の人生にはそれぞれの意味があり、人生という限られた持ち時間の中で、魂とも呼べる、自らの内面を磨くために生きている」
 「精神性を高めることこそが、人生の目的であり、教育の使命は、この世の中をより良くするためである」

 (定義の仕方は様々でしょうが)こういったスタンスから教育を捉え直すようになりました。

 1988年7月のJukool BLAST創設以降、小中学生向けの「楽しく、わかりやすく有意義に学べる私塾」として、第一志望校への合格や地域の上位校へも多くの卒塾生を送り出すことで、一定の「放課後の理想の教育」は実現されつつあるように思います。

 BLAST創設後19年目の2006年7月7日には、株式会社ブラストメディアとして、法人設立を行いました。

 すべての人は幸福感を尺度に行動していると言えます。成績が上がった、志望校に入学できたといった喜びの中にも、幸福感はありますが、それらを遥かに超えたものを追究しようとしています。

 「BLASTのルール」にもあるように、私たちが目指すのは循環する持続的な幸福です。「死ねば終わりと考える刹那的な人生観ではなく、普遍的な価値にこそ、本当の幸福はあると考えます。

 シンプルだけれど、得がたいアイディアへの「気づき」をみなさまに提供できる、私たちでありたいと考えています。どうぞよろしくお願い申し上げます。

株式会社ブラストメディア
代表取締役
 吉田憲司